エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
顎を撫でながら相槌を打ち、ダイニングテーブルに並んだ皿に目を落とした。
最初の時とは違い、こんがりきつね色に揚がったコロッケとキャベツの千切り、副菜にひじきの煮物まで用意されている。
「純平さん、材料買っておいてくれたんですね。あと、お味噌汁はわかめとお豆腐です!」
「……そうか。美味そうだ」
俺は、椅子を引いて腰を下ろした。
すると、テーブルの下にいたのか、子猫が俺の足に擦り寄ってくる。
「ん? なんだ。お前も食いたいか?」
俺が子猫に話しかけていると、歩はご飯と味噌汁の椀をのせたトレーを持ってやってきた。
「大丈夫。あゆみんのご飯は、さっきちゃんとあげました」
「ふ~ん。……なんだ、あゆみんって」
軽く受け流しかけて、向かい側の椅子に腰を下ろす彼女にツッコむ。
「子猫の名前です」
しれっと返され、俺はギョッと目を瞠った。
「おい、なにを勝手に名前つけてんだ」
「だって、さすがに自分の名前とまったく同じだと、呼びにくいんです」
歩は悪びれずに言って、「いただきます」と両手を合わせた。
「いやいやいや、聞けよ。そもそも、〝歩〟でもないぞ」
腰を浮かせて畳みかける俺に、ひょいと肩を竦める。
「でも、〝鮎〟じゃ反応しないし。〝あゆみん〟なら、辛うじて鳴いてくれたので。苦肉の策です」
最初の時とは違い、こんがりきつね色に揚がったコロッケとキャベツの千切り、副菜にひじきの煮物まで用意されている。
「純平さん、材料買っておいてくれたんですね。あと、お味噌汁はわかめとお豆腐です!」
「……そうか。美味そうだ」
俺は、椅子を引いて腰を下ろした。
すると、テーブルの下にいたのか、子猫が俺の足に擦り寄ってくる。
「ん? なんだ。お前も食いたいか?」
俺が子猫に話しかけていると、歩はご飯と味噌汁の椀をのせたトレーを持ってやってきた。
「大丈夫。あゆみんのご飯は、さっきちゃんとあげました」
「ふ~ん。……なんだ、あゆみんって」
軽く受け流しかけて、向かい側の椅子に腰を下ろす彼女にツッコむ。
「子猫の名前です」
しれっと返され、俺はギョッと目を瞠った。
「おい、なにを勝手に名前つけてんだ」
「だって、さすがに自分の名前とまったく同じだと、呼びにくいんです」
歩は悪びれずに言って、「いただきます」と両手を合わせた。
「いやいやいや、聞けよ。そもそも、〝歩〟でもないぞ」
腰を浮かせて畳みかける俺に、ひょいと肩を竦める。
「でも、〝鮎〟じゃ反応しないし。〝あゆみん〟なら、辛うじて鳴いてくれたので。苦肉の策です」