エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
東京に来たばかりなのに、どうしてこんな……と、パニックで泣きそうになって、ハッと息をのんだ。
これも、覚醒剤を渡されて捕まりそうになったことと、関係あるんじゃ?
あの時の女性と取引するはずだった本来の客が、私に渡った分を取り返そうとしてるとか――。
目まぐるしく思考回路を働かせて導き出した仮説は、自分でも絶対の自信が持てた。
もしも接触して、警察に没収されたと知られたら、私……殺されるんじゃない?
確かな危険の予感に、身体の芯から戦慄した。
情けなく顔を歪め、どうしようどうしようと考えながら、化粧品売り場をウロウロする。
誰か、助けて……!
心の中で強く助けを求めた瞬間、財布に瀬名さんの名刺を入れてあることを思い出した。
「瀬名さん……」
その場にピタッと立ち止まり、バッグから財布を取り出す。
ファスナーを開けて、カードホルダーを覗き込み、縋る思いで名刺を摘まみ出した。
警察庁刑事局の住所の下に、03と080から始まるふたつの電話番号が記載されていた。
私はスマホを手に取り、ためらいなく080から始まる番号に電話をかけた。
仕事中で、出てくれなかったらどうしよう。
知らない番号だと、無視されたらどうしよう。
これも、覚醒剤を渡されて捕まりそうになったことと、関係あるんじゃ?
あの時の女性と取引するはずだった本来の客が、私に渡った分を取り返そうとしてるとか――。
目まぐるしく思考回路を働かせて導き出した仮説は、自分でも絶対の自信が持てた。
もしも接触して、警察に没収されたと知られたら、私……殺されるんじゃない?
確かな危険の予感に、身体の芯から戦慄した。
情けなく顔を歪め、どうしようどうしようと考えながら、化粧品売り場をウロウロする。
誰か、助けて……!
心の中で強く助けを求めた瞬間、財布に瀬名さんの名刺を入れてあることを思い出した。
「瀬名さん……」
その場にピタッと立ち止まり、バッグから財布を取り出す。
ファスナーを開けて、カードホルダーを覗き込み、縋る思いで名刺を摘まみ出した。
警察庁刑事局の住所の下に、03と080から始まるふたつの電話番号が記載されていた。
私はスマホを手に取り、ためらいなく080から始まる番号に電話をかけた。
仕事中で、出てくれなかったらどうしよう。
知らない番号だと、無視されたらどうしよう。