エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
問われて答えようとしたのは、異論だったか、それとも同意だったか。
どちらにしても、声にならずにくぐもった。
ゾクゾクと背筋を走る甘い痺れに全神経を侵され、抵抗の芽は摘まれた。


「さて、と」


彼は気が抜けるほど惚けた呟きを落とし、私から離れた。


「約束通り、十分優しく解してやった。そろそろいいだろ」


乱れた呼吸で胸を上下させる私に、どこまでも不遜に言い捨てる。
ぐったりと弛緩した私の右足を持ち上げ、自らの腰を進めてくる。


「え……。あ、やっ……!」


自分がどんな格好をさせられているか確認して、羞恥に身を震わせた次の瞬間――。


「あ、ああっ!!」


身が裂かれるような痛みに襲われ、私は堪らず声をあげた。
目の前にチカチカと星が飛ぶ。
条件反射で、全身を強張らせた。


「っ、く……。おい、落ち着け」


彼はブルッと頭を振ってから、宥めるみたいに言って、私の唇を塞ぐ。


「う、むうっ……」


わりと酷い目に遭っているはずなのに、痛みを上回る強烈な快感に、全身が支配される――。
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