エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「二度言わせないでください。お、男の人と付き合ったこと、ないんです。生まれてこの方……」
さすがに二度言うのは恥ずかしくて、モゴモゴと言い淀んだ。
瀬名さんは大きく目を見開き、別の生き物を見るような目で私を見下ろしている。
彼が感情を顔に表すのを、私はこの時初めて見たけれど。
「ちょっ、そんな、信じられないって顔しなくてもいいじゃないですかっ」
羞恥心が込み上げてきて、ムキになって頬を染めた。
瀬名さんは、小さく舌打ちして……。
「……ったく。世話の焼ける」
「っ、え……?」
突然私の腕を引き、美しくシャープなラインの顎を傾け、背を屈めた。
神がかり的に美しい顔が一気に近付いてきて、大きく目を瞠る。
瀬名さんが落とす影で、視界が暗くなった次の瞬間、
「……!?」
私の唇は、彼のちょっと冷たい薄い唇に塞がれていた。
上唇を柔らかく食まれる、今まで知らない感触に、思考回路が停止する。
瀬名さんは、切れ長の目を薄く開き、サッと横に流した。
私のことは見ずに、しばらく唇を啄んでいたけれど……。
「……よし。完了」
「え……?」
意味のわからない呟きと同時に、唇が離れていった。
なにが起きたのか理解できずに、ボーッとする私の肩をグイと抱き寄せる。
さすがに二度言うのは恥ずかしくて、モゴモゴと言い淀んだ。
瀬名さんは大きく目を見開き、別の生き物を見るような目で私を見下ろしている。
彼が感情を顔に表すのを、私はこの時初めて見たけれど。
「ちょっ、そんな、信じられないって顔しなくてもいいじゃないですかっ」
羞恥心が込み上げてきて、ムキになって頬を染めた。
瀬名さんは、小さく舌打ちして……。
「……ったく。世話の焼ける」
「っ、え……?」
突然私の腕を引き、美しくシャープなラインの顎を傾け、背を屈めた。
神がかり的に美しい顔が一気に近付いてきて、大きく目を瞠る。
瀬名さんが落とす影で、視界が暗くなった次の瞬間、
「……!?」
私の唇は、彼のちょっと冷たい薄い唇に塞がれていた。
上唇を柔らかく食まれる、今まで知らない感触に、思考回路が停止する。
瀬名さんは、切れ長の目を薄く開き、サッと横に流した。
私のことは見ずに、しばらく唇を啄んでいたけれど……。
「……よし。完了」
「え……?」
意味のわからない呟きと同時に、唇が離れていった。
なにが起きたのか理解できずに、ボーッとする私の肩をグイと抱き寄せる。