エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
目線で応じてくれるのを見て、息を吹きかけて冷まし、一口啜って吐息を漏らす。
「お前を尾けていた男」
瀬名さんも、一口飲んだ後、そう切り出した。
ハッと顔を上げる私の前で、スラックスのポケットからスマホを取り出し、長い足を組む。
「部下に動画を送って、データベースで照合させている。ただのストーカーだったら、俺が知ったこっちゃないが、お前が言うように、事件の関係者の可能性がある以上、見逃せない」
「え……」
淡々とした説明の途中で、画面を上に向けたスマホを、テーブルに滑らせてくる。
『見ろ』という意味なのは、察せられた。
私はスマホと彼を交互に見遣ってから、マグカップをテーブルに戻した。
ためらいながら、彼のスマホを手に取り……。
「!? い、いつの間に」
動画に映っているのは、先ほどの黒いダウンジャケットの男性だった。
少し遠い上に、画像も揺れる。
通行人に阻まれ、なかなか焦点が定まらないけど、男性自体がその場から動かないから、目を凝らしていると慣れてくる。
「お前にキスしてる間に撮影して、送信まで済ませておいた」
「!?」
私が呆然とされるがままでいる間に、瀬名さんは動画を撮影して、メール送信まで完了させていたとは……!
なんて余裕綽々……というか、瀬名さんにとって私のファーストキスは、その作業の片手間だったってこと?
「お前を尾けていた男」
瀬名さんも、一口飲んだ後、そう切り出した。
ハッと顔を上げる私の前で、スラックスのポケットからスマホを取り出し、長い足を組む。
「部下に動画を送って、データベースで照合させている。ただのストーカーだったら、俺が知ったこっちゃないが、お前が言うように、事件の関係者の可能性がある以上、見逃せない」
「え……」
淡々とした説明の途中で、画面を上に向けたスマホを、テーブルに滑らせてくる。
『見ろ』という意味なのは、察せられた。
私はスマホと彼を交互に見遣ってから、マグカップをテーブルに戻した。
ためらいながら、彼のスマホを手に取り……。
「!? い、いつの間に」
動画に映っているのは、先ほどの黒いダウンジャケットの男性だった。
少し遠い上に、画像も揺れる。
通行人に阻まれ、なかなか焦点が定まらないけど、男性自体がその場から動かないから、目を凝らしていると慣れてくる。
「お前にキスしてる間に撮影して、送信まで済ませておいた」
「!?」
私が呆然とされるがままでいる間に、瀬名さんは動画を撮影して、メール送信まで完了させていたとは……!
なんて余裕綽々……というか、瀬名さんにとって私のファーストキスは、その作業の片手間だったってこと?