エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
彼との出会いは、ほんの一週間前。
街路樹の枝に息吹く新芽に春の訪れを感じる、三月下旬。
大学卒業後、地元にある大手食品メーカーの地方支社で、丸五年営業事務職として働いていた私、菅野歩が、四月一日付けの異動発令を受けて上京した、その当日のことだ。
スタイリッシュで、とにかくスピードが速い都会での生活は、きっとなにもかもが刺激的に決まってる……!
その時の私は、新生活への期待で、胸を膨らませていた。
新しい環境、仕事に慣れたら、家と会社を往復するだけじゃなくて、プライベートも充実させたい。
職場の外で友達を作りたいし、せっかく東京なんだから、スーツが似合う滅茶苦茶カッコいい彼氏も欲しい。
仕事とは別に、そんな邪な目標も、掲げてはいたものの……。
東京・日本橋の本社ビルで、念願の商品企画部での勤務が始まって、四日目の今日。
今、私は、名前とおおまかな年齢、職業しか知らない超絶美形な〝悪魔〟に、〝妻〟として愛でられている。
恋人でもない男性の偽装花嫁になって、大事な初めてを捧げることになるなんて、思ってもみなかった。
街路樹の枝に息吹く新芽に春の訪れを感じる、三月下旬。
大学卒業後、地元にある大手食品メーカーの地方支社で、丸五年営業事務職として働いていた私、菅野歩が、四月一日付けの異動発令を受けて上京した、その当日のことだ。
スタイリッシュで、とにかくスピードが速い都会での生活は、きっとなにもかもが刺激的に決まってる……!
その時の私は、新生活への期待で、胸を膨らませていた。
新しい環境、仕事に慣れたら、家と会社を往復するだけじゃなくて、プライベートも充実させたい。
職場の外で友達を作りたいし、せっかく東京なんだから、スーツが似合う滅茶苦茶カッコいい彼氏も欲しい。
仕事とは別に、そんな邪な目標も、掲げてはいたものの……。
東京・日本橋の本社ビルで、念願の商品企画部での勤務が始まって、四日目の今日。
今、私は、名前とおおまかな年齢、職業しか知らない超絶美形な〝悪魔〟に、〝妻〟として愛でられている。
恋人でもない男性の偽装花嫁になって、大事な初めてを捧げることになるなんて、思ってもみなかった。