エリート警視正は偽り妻へ愛玩の手を緩めない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
シンプルだけどわりと手間のかかる母直伝のコロッケは、昔から私のお気に入りだった。
挽肉の代わりにツナを使ったからアレンジだけど、これがマズいわけがない。
「ん。我ながら上出来」
出来栄えを自画自賛して、ご飯を頬張る。
純平さんは一度箸を止めて、食欲全開の私を見遣り――。
「使えるものは、使えばいいものを……」
「は?」
呆れたような声を聞き拾って、私は顔を上げた。
純平さんは、「いや」とかぶりを振って、
「今度、挽肉とパン粉買ってきておく」
ボソッと独り言ちた。
「え?」
聞き返した私には答えず、黙々と食べ進める。
綺麗で品がある食べ方をする彼に、私は目を瞬かせた。
私は純平さんのことを、まだほとんど知らない。
でも、多分今のは、私の解釈で間違ってない……はず。
「また作りますね。今度はちゃんと、こんがりきつね色に揚げます」
はにかむ私を、彼はチラリと一瞥した。
「ふん」
短く、鼻で笑っただけの反応が、驚くほど温かい。
「……夕食、用意して正解だった」
私は彼に聞こえないように、小さく小さく呟いて、
「ふふっ」
思わず、顔を綻ばせた。
挽肉の代わりにツナを使ったからアレンジだけど、これがマズいわけがない。
「ん。我ながら上出来」
出来栄えを自画自賛して、ご飯を頬張る。
純平さんは一度箸を止めて、食欲全開の私を見遣り――。
「使えるものは、使えばいいものを……」
「は?」
呆れたような声を聞き拾って、私は顔を上げた。
純平さんは、「いや」とかぶりを振って、
「今度、挽肉とパン粉買ってきておく」
ボソッと独り言ちた。
「え?」
聞き返した私には答えず、黙々と食べ進める。
綺麗で品がある食べ方をする彼に、私は目を瞬かせた。
私は純平さんのことを、まだほとんど知らない。
でも、多分今のは、私の解釈で間違ってない……はず。
「また作りますね。今度はちゃんと、こんがりきつね色に揚げます」
はにかむ私を、彼はチラリと一瞥した。
「ふん」
短く、鼻で笑っただけの反応が、驚くほど温かい。
「……夕食、用意して正解だった」
私は彼に聞こえないように、小さく小さく呟いて、
「ふふっ」
思わず、顔を綻ばせた。