東方終焉物語
「ッ…つぅ…またあの夢か…」
もう何度目だろうか。あの夢で起きるのは。
俺は殺闇寺銀。此処,幻想郷に来る前に居た世界…この世界とは似て非なる場所,幻影鄉に住んでいた住人の1人。
俺はあの世界で…沢山の仲間を傷付けた。
そして,命を自ら…。
「嗚呼もう馬鹿馬鹿しい,何で今になって毎日見てんだよ」
ガシガシ,と乱暴に頭を搔く。そういえばこうやって頭を搔く度に,《アイツ》に怒られたっけ。
『女だろ?お前…そういうガサツな行動はいい加減辞めておけ』
「うるせぇなぁ…元からだよ」
んべ,と舌を出して反論する俺に対して,アイツはいつも呆れた顔をしてた。
「…もう…会えないんだろうな…会いたいよ,○○…」
幻想入りしてもう5年になる。アイツはもう,忘れているだろうか。
アイツに何も相談せず,1人で命を枯らした俺を…覚えては居ないだろうか。
「いでッ」
不意に後ろから叩かれ衝動的に身構え振り返る。そこに居たのは___
「な…んで…なんで此処に居るんだよ…レオ…!?」
そう,5年前のあの日,桜の木の下で別れを告げた,《アイツ》…殺闇寺レオ。俺の…伴侶だった。
_____5年前_____
「辞めて…銀…どうしてこんな事をするの…」
目の前には血に染まった,かつての《友人》。
その友人を庇い立つ,2人の男。
その2人もまた,俺の友人だった。
「うるせぇ…死ね」
ランランと目を光らせ,彼らに襲い掛かる。
こう,しなければならない,理由があった。
彼らでなくては,ならなかった。
(ごめん…皆…)
彼らの攻撃を受け,深手を負った俺はその場から逃げ出し,アイツとの思い出の場所に辿り着いた。
此処で…命の灯火を枯らそう。
思い出の場所で…。
ふぅ,と深く息をつきその場に座り込む。
もう,目の前が真っ暗で何も見えない。
『…んでだよ…何してんだよ…何で…俺に…何も言わねぇんだよ…』
薄れ行く意識の中で聞こえた,アイツの声。
そして頬に触れる手,唇に触れる…柔らかい感触。
「……悪いな…先に…行かせて…もら…う…」
すぅ,と途切れる意識の中,微かに感じた温もり。
その温もりを最後に,俺の意識は暗い闇の底へと落ちていった__
もう何度目だろうか。あの夢で起きるのは。
俺は殺闇寺銀。此処,幻想郷に来る前に居た世界…この世界とは似て非なる場所,幻影鄉に住んでいた住人の1人。
俺はあの世界で…沢山の仲間を傷付けた。
そして,命を自ら…。
「嗚呼もう馬鹿馬鹿しい,何で今になって毎日見てんだよ」
ガシガシ,と乱暴に頭を搔く。そういえばこうやって頭を搔く度に,《アイツ》に怒られたっけ。
『女だろ?お前…そういうガサツな行動はいい加減辞めておけ』
「うるせぇなぁ…元からだよ」
んべ,と舌を出して反論する俺に対して,アイツはいつも呆れた顔をしてた。
「…もう…会えないんだろうな…会いたいよ,○○…」
幻想入りしてもう5年になる。アイツはもう,忘れているだろうか。
アイツに何も相談せず,1人で命を枯らした俺を…覚えては居ないだろうか。
「いでッ」
不意に後ろから叩かれ衝動的に身構え振り返る。そこに居たのは___
「な…んで…なんで此処に居るんだよ…レオ…!?」
そう,5年前のあの日,桜の木の下で別れを告げた,《アイツ》…殺闇寺レオ。俺の…伴侶だった。
_____5年前_____
「辞めて…銀…どうしてこんな事をするの…」
目の前には血に染まった,かつての《友人》。
その友人を庇い立つ,2人の男。
その2人もまた,俺の友人だった。
「うるせぇ…死ね」
ランランと目を光らせ,彼らに襲い掛かる。
こう,しなければならない,理由があった。
彼らでなくては,ならなかった。
(ごめん…皆…)
彼らの攻撃を受け,深手を負った俺はその場から逃げ出し,アイツとの思い出の場所に辿り着いた。
此処で…命の灯火を枯らそう。
思い出の場所で…。
ふぅ,と深く息をつきその場に座り込む。
もう,目の前が真っ暗で何も見えない。
『…んでだよ…何してんだよ…何で…俺に…何も言わねぇんだよ…』
薄れ行く意識の中で聞こえた,アイツの声。
そして頬に触れる手,唇に触れる…柔らかい感触。
「……悪いな…先に…行かせて…もら…う…」
すぅ,と途切れる意識の中,微かに感じた温もり。
その温もりを最後に,俺の意識は暗い闇の底へと落ちていった__
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