※あの乙女はニセモノです
「みーちゃんこわーい!亜子からしたら朝の挨拶みたいなもんなのにー」
笑顔の次はわざとらしく頬を膨らませる彼女は同じクラスの市藤 亜子。
1年の時から同じクラスだったこともあるけど、単純に亜子が人懐っこい性格だからか良く私に絡んでくる。
それにしても今のが朝の挨拶…。
私ははぁっと盛大なため息をもらしながら止まっていた足を再び進める。
「するならちょっとは加減して」
「はーい!」
元気のいい返事をして亜子も私の隣を歩き出す。
この満面な笑顔を見ていると、本当に反省しているのか疑いたくなる。
まぁ悪い子ではないと思うけどね。
正直、亜子の事はまだよくわからない。