※あの乙女はニセモノです

なんて必死に心の中で亜子に抗議しながら全力で走った。



やっぱり嫌な予感は当たってたんだ。



亜子が興味本位で人を振り回す時は大体星のピン留めをしている。



だから今日も何かあるなとは思ってたけど。



いくら亜子の頼みでも今日だけは本当に無理。



私は息を切らせながら校門をくぐり、校舎裏の近くに向かった。



確かあの辺に隠れられる所があったはず…。



だったんだけど。



「みーちゃん、つっかまーえた!」



「ひぃ…。あ、あこ…」



私の腕もがっちり掴む亜子の顔。



無邪気な笑顔の裏に「もう逃がさない」って書いてあった。



よくよく考えたら、足の速さで亜子に敵うわけないじゃん。
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