※あの乙女はニセモノです

「え〜、みゅうちゃん先輩ひど〜い!」



「は?ひどいのはどっちよ!!」



「だってだって、私たちちょー仲良しじゃないですか!キスまでしちゃった仲、なんですから」



男はそう言って私の左腕にしがみついてきた。



横目で見たあの男のニヤッと笑う楽しそうな顔に背筋がゾクッとする。



今の、亜子にはもちろん周りにいた人にも絶対聞こえたよね。



毎回毎回空気読めなすぎじゃない!?



ていうか今のは絶対悪気しかない。



確かにキスはした。



正確にはしたというより一方的にされたが正しいけど。



でも今それ言うタイミングじゃないし、誰かにいうことでもないからね!?
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