※あの乙女はニセモノです
男はなにか言ってるけど私は聞こえないフリをした。
色んな感情が次々に湧いてきて自分でも少し戸惑ってしまう。
男なんてみんな、乱暴で自分勝手で。
何考えてるかわからなくて、いつもこっちが振り回されてばっかり。
少なくとも私の中では関わってもロクなことがない存在。
それなのにどうして…。
今、私はこんなにもこの男の事をー…。
「…ねぇ、聞いてもいい?」
保健室へ着いてドアを開けようとした私は手を止めて振り返らずに問いかけた。
「なっ、なんですかー?急に。みゅうちゃん先輩さっきから何か変ですよ?」