※あの乙女はニセモノです
知ってしまった過去と胸騒ぎ
強い日差しに思わず目を細める。
無事にテストも終わって夏休みも残り半分。
生温い風が身体中を包んでいる今、気分は最悪。
まだ家を出て数十分しか経ってないのにこの汗の量。
拭いても拭いても汗が出てくる。
もう帰りたい…。
でも今日はグッとその気持ちを抑えて待ち合わせの場所で亜子が来るのを待っていた。
「みーちゃん、お待たせー!!!」
声がして顔を上げると、少し遠くから手を振りながら近づいてくる亜子の姿があった。
「もー、やっと来た!亜子遅いー」
私は少し拗ねたように言うと、亜子はごめんごめん!と言いながら笑って見せる。
きっとこの顔は反省してない。