※あの乙女はニセモノです

「でも知らなかったよー。高良くんに彼女が居たなんて。亜子、てっきり高良くんはみーちゃんの事が好きなんだと思ってた〜」



はははっと笑い飛ばす亜子とヒヤヒヤする私。



いくらなんでも彼女の前でそんなこと言っちゃダメでしょ!?



それに亜子は私が男嫌いだって知ってるんだから誤解招くようなこと言わないでー!



「私、真央の彼女じゃないです。ただの従兄妹です」



「…へ?いとこ?」



内心ハラハラしていたせいか自分でもびっくりするくらい素っ頓狂な声が出た。



女の子は私の顔をじっと見て頷く。



そうか、従兄妹か。



それならそうと早く言ってくれれば私もこんなに焦らなくて良かったのに。
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