過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜
"……なあ、またこのチョコ食いたいか?"
"うんっ!あっ、でもこんなキレイでおいしいチョコレート、ふだんのおやつにするにはもったいないから、なにかとくべつなときにたべられたらうれしいなっ"
"……ははっ、そうか、特別な時に、か"
"うん、たんじょうびとか、なにかのごほうびにとか!"
その時、オレは自然と思った。
こいつに特別な日に食いたいと思わせるチョコ。
こんなチョコ一つでこいつをこんなに笑顔にしてやれるなら、親父の会社も案外悪くないかもな、と。
オレが親父の会社のことを肯定的に捉えられたのは、この時がはじめてだった。
それ以来、たまに送られて来るチョコは羽衣にやった。
いや、正確にはあいつが頑張った時のご褒美にでもあげてやって欲しいと、羽衣を通じて顔見知りになった羽衣のおふくろさんに渡していた。
最初は遠慮していたものの、親父の会社から送られて来るもので、うちでは誰も食べないからもらってくれると助かる、と話すとそういうことなら、と受け取ってくれるようになった。
"うんっ!あっ、でもこんなキレイでおいしいチョコレート、ふだんのおやつにするにはもったいないから、なにかとくべつなときにたべられたらうれしいなっ"
"……ははっ、そうか、特別な時に、か"
"うん、たんじょうびとか、なにかのごほうびにとか!"
その時、オレは自然と思った。
こいつに特別な日に食いたいと思わせるチョコ。
こんなチョコ一つでこいつをこんなに笑顔にしてやれるなら、親父の会社も案外悪くないかもな、と。
オレが親父の会社のことを肯定的に捉えられたのは、この時がはじめてだった。
それ以来、たまに送られて来るチョコは羽衣にやった。
いや、正確にはあいつが頑張った時のご褒美にでもあげてやって欲しいと、羽衣を通じて顔見知りになった羽衣のおふくろさんに渡していた。
最初は遠慮していたものの、親父の会社から送られて来るもので、うちでは誰も食べないからもらってくれると助かる、と話すとそういうことなら、と受け取ってくれるようになった。