過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜
「……お?……ああ、お前ひょっとして遥か?ははっ!変わんねーな、遥!」
「……ウソだろ、お前、まさかあの竜なのか……?」
「ははっ!そのまさかだよ。久しぶりだな」
「竜、変わりすぎでしょ……。っていうかなんで2人が……?」
2人に挟まれる形になっている私の頭上で会話を繰り広げながら、けらけら笑う坂崎さんと私を唖然とした表情で交互に見つめる相良さんは、完全に秘書モードじゃなくなってる。
2人の容姿は人目を引くから、さっきから退社のために通り過ぎて行く人たちにチラチラと視線を向けられていた。
とりあえず手短に事情を説明しようと私が口を開き掛けた時、
「羽衣坊、先車行っててくんない?このキーボタンでカギ開くから。あの黒いレクサスね」
自動ドアから見えている黒い車を親指で差し、私の手を掴んで車のキーを握らせる。
「えっ?で、でも……相良さん、なにか急用だったんじゃ……?」
坂崎さんの方に向いていた顔を再び相良さんへと戻すと、さっきと同じように眉を下げ、ちょっと困ったような笑みで、
「……あ、いや、竜と約束だったならまた明日にするよ」
と言われてしまい。
「遥とちょっと話したらオレもすぐ行くからさ」
坂崎さんにも、な?そう顔を覗き込まれてしまえば断る理由もなく、この2人に挟まれて注目を集めているこの状況にも居た堪れなくなって、結局私は「分かりました」と一足先に坂崎さんの車へ向かったのだった。
「……ウソだろ、お前、まさかあの竜なのか……?」
「ははっ!そのまさかだよ。久しぶりだな」
「竜、変わりすぎでしょ……。っていうかなんで2人が……?」
2人に挟まれる形になっている私の頭上で会話を繰り広げながら、けらけら笑う坂崎さんと私を唖然とした表情で交互に見つめる相良さんは、完全に秘書モードじゃなくなってる。
2人の容姿は人目を引くから、さっきから退社のために通り過ぎて行く人たちにチラチラと視線を向けられていた。
とりあえず手短に事情を説明しようと私が口を開き掛けた時、
「羽衣坊、先車行っててくんない?このキーボタンでカギ開くから。あの黒いレクサスね」
自動ドアから見えている黒い車を親指で差し、私の手を掴んで車のキーを握らせる。
「えっ?で、でも……相良さん、なにか急用だったんじゃ……?」
坂崎さんの方に向いていた顔を再び相良さんへと戻すと、さっきと同じように眉を下げ、ちょっと困ったような笑みで、
「……あ、いや、竜と約束だったならまた明日にするよ」
と言われてしまい。
「遥とちょっと話したらオレもすぐ行くからさ」
坂崎さんにも、な?そう顔を覗き込まれてしまえば断る理由もなく、この2人に挟まれて注目を集めているこの状況にも居た堪れなくなって、結局私は「分かりました」と一足先に坂崎さんの車へ向かったのだった。