過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜
こうやって大我と想いを通じ合わせることが出来たのは、坂崎さんのお陰によるところが大きいと思う。

だから坂崎さんにも感謝の気持ちを込めてお礼を伝えると、

"良かったな。でもあいつに愛想尽かしたらいつでもオレんとこに来たらいい"

と、本気なんだか冗談なんだかいまいち分からないテンションでそんなことを言うから、大我の怒りを買っていたのは言うまでもない。



そして11月も中旬に差し掛かった今日。


「羽衣、誕生日おめでとう」


朝目覚めると、私の大好きな人は隣ですでに目を覚ましていて。

優しく目を細め、頭を撫でながら口づけと共にその言葉を私にくれる。


「……ありがとう、ございます」


そう、今日11月12日は私の23歳の誕生日。


大好きな人に1番におめでとうを貰えるなんてとても幸せで、でもなんだか照れくさくてもぞもぞと布団に潜り込む。

「ふはっ、何で隠れんだよ」

「……なんか、恥ずかしいから……」

「ほんと可愛いなお前は」

そう言って大我は隠れきれていない私の髪を掬ってキスを落とし、布団ごと私を引き寄せて抱き締める。
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