過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜

"誕生日おめでとう。今日オレが大我さんを取材した記事が載ってるdearncy12月号の発売日だから、必ず買って読めよ"


としからのメッセージだった。

ちなみにさっき美乃梨と遥くんからもおめでとうとメッセージが届いていて、ちょうど返信したところ。

自分以外の人がこうしてが自分の誕生日を気に掛けてくれるのはとてもありがたいし嬉しいことだ。

まあ、としのこれはおめでとうよりも雑誌の宣伝がメインのような気がしなくもないけれど。

ふふ、と笑いながら、

"ありがとう!絶対買って読むね!"

と返信をして、私も家を出た。



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今日も渚さんと2人、来客を捌きながら会議室の片付けなどもこなしたりと忙しく働いていたわたしだったけれど、今日はどうもチラチラと視線を感じるような気がする……。

訝しげに思いながらもようやく落ち着いて来たタイミングでパソコンで事務処理をしていると、

「ねえねえ羽衣ちゃん。ちょっと聞いてもいい?」

渚さんが隣でそう尋ねるから、一旦手を止めて渚さんの方へ顔を向けた。
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