過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜

「ねえ羽衣ちゃん。専務のインタビュー記事が載ってる雑誌ってまだ読んでない？」

動揺しまくりの私に渚さんはさらに聞く。

「えっ？は、はい、今朝買っては来たんですけどまだ読めてません……」

「じゃあ羽衣ちゃん！まだちょっと早いけど、お昼行ってきていいから読んでおいで！」

「渚さん……？」

「きっと読めば分かるから！だからほらっ」

そう言ってチェシャ猫のように悪戯っぽく笑う渚さんに促されて、私は戸惑いながらも立ち上がる。

「えっ？あの……っ」

「戻りは遅くなっても大丈夫だから、こっちのことは気にしないでごゆっくりー！」

手をひらひらさせて満面の笑みで送り出されてしまった私は、何が何だかわからないまま渚さんを振り返りつつ受付を後にした。


そして更衣室まで行きロッカーからコンビニで買ってきた雑誌を取り出して、更衣室にいくつか設置されている椅子に座り逸る気持ちを抑えながらページを捲る。


……一体何が書かれているんだろう……？


目当てのページはすぐに見つかった。

2ページに渡って掲載されている特集記事。

でかでかと載っているモデル顔負けなくらいカッコいい大我の写真に見惚れつつ、読み進めて行く。