過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜
そこまで読み終えたところで胸に熱いものが込み上げきて、目頭が熱くなる。
これって……!
私は居ても立っても居られず更衣室を飛び出して、エレベーターに飛び乗り役員階のある7階へ向かった。
行ったところで専務室がどこにあるかも分からないし、そもそも大我がいるかどうかも分からないのに、その時はそんなこと思いもしなかった。
完全に勢いで来てしまった7階に降り立ってはじめて我に返る。
チョコレート色のふわふわのカーペットが敷かれ、視線をずらせば視界に入ってくるドア1つとってみても、明らかに他のフロアとは違う重厚感が漂っている。
そもそも入社半年の一介の平社員がこんな役員の集まる階に降り立ってしまって大丈夫なんだろうか。
ど、どうしよう……!
降りたはいいものの完全に足がすくんでしまった私の目が、前方左側に秘書室と書かれているプレートを捉える。
そうだ、相良さん!そう思った時、ちょうど廊下の向こう側から相良さんが現れた。
「……あれ?花里さん?こんなところで、どうかしましたか?」
見知った顔に出会い、ほっと息を吐く。
「相良さんっ、これ……っ!」
私は相良さんに駆け寄り、抱き抱えていた雑誌を彼の前にかざした。
これって……!
私は居ても立っても居られず更衣室を飛び出して、エレベーターに飛び乗り役員階のある7階へ向かった。
行ったところで専務室がどこにあるかも分からないし、そもそも大我がいるかどうかも分からないのに、その時はそんなこと思いもしなかった。
完全に勢いで来てしまった7階に降り立ってはじめて我に返る。
チョコレート色のふわふわのカーペットが敷かれ、視線をずらせば視界に入ってくるドア1つとってみても、明らかに他のフロアとは違う重厚感が漂っている。
そもそも入社半年の一介の平社員がこんな役員の集まる階に降り立ってしまって大丈夫なんだろうか。
ど、どうしよう……!
降りたはいいものの完全に足がすくんでしまった私の目が、前方左側に秘書室と書かれているプレートを捉える。
そうだ、相良さん!そう思った時、ちょうど廊下の向こう側から相良さんが現れた。
「……あれ?花里さん?こんなところで、どうかしましたか?」
見知った顔に出会い、ほっと息を吐く。
「相良さんっ、これ……っ!」
私は相良さんに駆け寄り、抱き抱えていた雑誌を彼の前にかざした。