過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜

こうしてまた大我と再会出来たのは、大我が私を想って送り続けてくれたチョコのおかげだった。

そのチョコに導かれて私は今ここにいる。


私はきっと、大我の甘い罠に掛かってしまったんだ。

とても甘くて幸せで、夢のような罠にーーーー。




「羽衣、これ食ってみて？」



抱き締める腕を少し緩めた大我が、plumage（プルーミジ）を摘んで私の口元に持ってくる。

こくりと頷いて口を開いた瞬間広がる芳醇で甘いチョコの味。

口の中で溶かすように食べれば、口に入れた瞬間とはまた違う甘さが口の中に広がり、自然と笑顔が溢れる。


「どうだ？美味いか？」


変化する味を楽しみながら食べ終わると、大我が私の顔を覗き込んで聞く。


「はい……っ！こんなにキレイで美味しくて幸せな気持ちになれるチョコ、生まれてはじめて食べましたっ」


満面の笑みでそう答えれば、


「…その顔が見たかった」


大我の顔も幸せそうに綻んだーーーー。