過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜


食事を終えてデッキへ出てみるとやっぱり少し寒かったけれど、東京湾の夜景が360°見渡せてとてもキレイだった。

「大我の部屋からも東京湾の夜景見えますけど、海上から見る夜景はまた一味違いますね」

「ああ、そうだな」

ライトアップされた工場地帯のコンテナヤードや、レインボーブリッジ、ゲートブリッジの人工的な輝きが幻想的で。

並んでベンチに座りながら、2人でその景色を堪能する。


「…大我、今日は本当にありがとうございます。チョコもプロポーズもディナークルージングも……。一生忘れられない誕生日になりました」

「ああ。本当はチョコ渡すのもプロポーズも、ここでする予定だったんだけどな」

「ふふ、場所なんてどこでもいいんです。大我の気持ちが、とっても嬉しかったから」

「……あんまり可愛いこと言ってくれるな」

ぐりぐりと少し乱暴に私の頭をかき混ぜた後、大我がこちらへ身体を向け私の左手を握る。
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