過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜
「……なあ羽衣。今ここに、一生オレのもんだっていう印、付けていい?」
「はい、もちろんです」
そっと私の左手の薬指を撫でながらそう言う大我に、私は笑顔でこくりと頷く。
さっきのプロポーズの時、言われていたのだ。
"今伝えたいこと全部伝えちまったけど、ここにオレのもんだって印つけるのは夜にする"
といたずらっぽく笑って、私の左手の薬指にキスを落としながらーーーー。
大我はダークブルーの小箱から取り出した指輪を私の薬指に嵌め、愛おしそうに私を見つめながら甘く囁く。
「ーーーー羽衣、愛してる。一生オレの側にいてーーーー」
夜景が霞んでしまうくらいの輝きを放つそれと共に大我がくれたその言葉に、私は心の奥底から湧き上がってくる気持ちをそのまま声に乗せた。
「私も愛しています。ずっとずっと、大我の側にいさせて下さいーーーー」
そしてどちらからともなく鼻先を近づけ、レインボーブリッジの下を潜る時、夜景の微かな光に照らされながら私たちはそっとキスをしたーーーー。