過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜
「いやー、やっぱ羽衣ちゃんの手料理はいつ食べても沁みるねえ」

「羽衣坊、なにこれ、生ハムのヤツにんにく効いてて超うめえ。酒がめっちゃ進むわ」

「生ハムユッケです。大我も大好きなんですよ、それ」

「この無限ループ止まんねえ。羽衣坊、お代わりある?」

「ふふ、すぐ用意しますね」

「さんきゅ。そういや遥、今日奥さんは?」

「ああ、子供と一緒に向こうの実家泊まりに行ってる。オレが今日まで大我の大阪出張に同行してたからね」

「子供いくつになったんだっけ?」

「もうすぐ2歳になるよ」

「へぇ、もうそんなか。はえーな」



「……つーかお前らは、何でうちで酒盛りしてる訳?」



「羽衣坊と環(タマキ)に会いに来たに決まってんじゃん、なあ?」

そう言って大我の膝の上に座る環の頭を撫でるのは坂崎さん。

「あと、羽衣ちゃんにご飯食べさせてもらいにね」

ビールをぐびっと煽りいたずらっぽく笑ってそう言うのは遥くん。

「パパー、これたべたーい」

「お、いいぞ。ちょっと待ってろ、今開けてやる。羽衣悪い、スプーン取って」

「はーい」
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