過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜
私には中学、高校に上がるにつれてありがたいことに告白される機会が何回かあった。
でも、私の心は全く動かなくて。
"もったいない!今好きじゃなくても、試しに付き合ってみたら好きになるかもよ?"
友達にそんなことを言われたけれど、想像してみても好きなれる気は全くしなかったから告白は全てお断りをして。
じゃあ自分から好きになれるひとを見つけてみよう。
そう思ったけれど、友達としての"好き"はあっても、付き合いたいとか恋人になりたいとかそれ以上の"好き"という感情が私に生まれることは結局なかった。
周りの女の子たちは恋に夢中な子たちがほとんどだったのに、私は全く恋が出来なくて。
"私って、変なのかなぁ"
高校の時本気で悩んで、2人の親友にふと溢した時、その2人から言われたことはまさに青天の霹靂だった。
"羽衣は、小学生の時からいつも近くにあんなにかっこいい大我さんや遥さんがいたから、他に目が向かないのも仕方ないよねぇ"
"いじめっ子から助けてくれたヒーローだったもんな。あれ以上かっこいいひとたちなんて、そりゃあいねーよなぁ"