過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜
受付である私たちの仕事は、主に来客の対応や代表電話の取り次ぎ、メール対応。それに会議室の予約管理や使用後の片付けなど、その他細々した雑務なども請け負っている。


8時半。2人でお客様をお迎えする準備を整えていると、

「中島さん、花里さん、おはようございます。急で申し訳ないんですが、今日の13時から押さえられる会議室はありますか?」

専務の秘書である相良(サガラ)さんが朝から爽やかな空気を纏って受付にやって来た。

「お、おはようございます」

「おはようございます。確認してみます」

そう言って渚さんはパソコンを開き、カタカタと会議室の予約状況を素早く確認する。

かっこいいなあ、渚さん。

「13時からですと、第2会議室が空いていますがいかがですか?」

「はい、問題ありません。ではそこを押さえてもらえますか?」

「かしこまりました」

「ありがとう、中島さん」

相良さんは渚さんににっこり柔和な笑顔を向けた後、私の方へ顔を向ける。
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