過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜
「あれ?もうみんな飲んでる?」

「あはは!まだ始まってないから飲んでないよ。でもみんな久しぶりの再会でテンション上がっちゃって、さっきからこんな感じよ」

美乃梨が苦笑しながら教えてくれる。

唐木 美乃梨(カラキ ミノリ)。

彼女とは小学校の頃からの付き合いで、ちなみに私の初恋に気づかせてくれた親友の片割れ。

大我たちと再会したと聞いただけで大興奮だったのは彼女。

下に弟と妹のいる美乃梨は昔から姉御肌で面倒見がよく、私が泣き虫で弱虫だった頃から手のかかる妹みたいと、なにかと世話を焼いてくれていた。

テンション高く向かってきた栞と未知は出席番号が近かったことから仲良くなって、大学進学でバラバラになるまで私たちはいつもこの4人でつるんでいた。

18時半の開始時刻となり、当時のクラス委員長であり今日の幹事でもある田村くんの乾杯の音頭でクラス会が始まる。

久しぶりに会う友人たちともなれば、自ずと近況報告だとか思い出話に花が咲き、ついついお酒も進むし箸も進む。
< 31 / 180 >

この作品をシェア

pagetop