過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜

「………ほっ、本当ですよ………?そもそも私、彼氏いたことないですから」

あれ?これ、なんかデジャブ………。

あっ!そういえば今朝も更衣室で渚さんとこんなやり取りを。

……って、言ってしまってからハッとなる。

また私、ぽろっと言っちゃった………!

このカミングアウトに、大我はたっぷり3秒は固まっていたと思う。


「………おい、待て。今のは本当か」

「……聞き返さないで下さい……」  

驚きに目をまんまるにして、彼は一歩私に詰め寄ってくる。

それにつられて、私は一歩後ずさる。

じゃり、と人気のない静かな公園に、一歩を踏みしめる音がやけに響いた。

「いや、大事なことだからもう一度聞く。お前は今まで本当に、一度も誰とも付き合ったことがないんだな?」

「何ですか大我……私を恥ずか死にさせるつもりですか……」

「いいからちゃんと答えろ」
 
力強い視線がまた私を射抜く。
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