過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜
遥くんもこの近くのマンションで1人暮らしをしている。
なんでも男の一人暮らしは外食やコンビニばかりになってしまって飽きるし栄養も偏るし、だからたまに無性に家庭の味が食べたくなるんだそうだ。
手料理を振る舞ってくれる彼女も今はいないらしく、そういう訳で2週間に1回くらいのペースで遥くんはうちにご飯を食べにやってくる。
だから遥くんが来る時はいつも以上に栄養たっぷりを心掛けている。
ひとまず大我のことは頭の隅の隅の隅の方に追いやって、お皿洗いを終えた後私は今日のメニューを考えながら出勤の準備をした。
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今日はなぜかお客様が集中する時間帯が発生して内心てんやわんやになりながらも、渚さんのおかげでなんとか大きなミスもなく1日を終え、スーパーで足りない食材を買って帰る。
この近辺はさすがと言うべきかやはりと言うべきか高級スーパーが目立つが、堅実で庶民派の私のお財布にも優しいスーパーを見つけて、今は専らそこが御用達だ。