過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜


お昼時になり、芝生にレジャーシートを敷いて大我が持ってくれていたお弁当を広げる。

他にも家族連れやカップルなどが、思い思いの場所でレジャーシートを広げていた。

お友達親子で来ているのか、芝生の上で駆け回っている子供たちを見守りながら談笑しているママさんたちもいる。

おにぎりに卵焼きにタコさんウィンナー、あとは作り置きのおかずなんかを詰めた即席のお弁当を、大我は美味いとご満悦でペロリと平らげてくれた。


「たまにはこんなのんびりした休日も悪くないな」


そしてうーん、と伸びをした後、大我はゴロン、と私の膝に頭を乗せて寝転んだ。

「えっ、ちょ……っ⁉︎」

「少し休ませろ」

また不意打ち……!

そんな慌てふためく私をよそに、大我はそのまま目を閉じる。

そよそよと吹く秋風に、ふわりと彼の額に掛かる前髪が靡く。

目を瞑っていても端正な顔立ち。

でもよく見ると目の下には薄らクマが出来ている。
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