過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜

再会と、目撃

日曜日。

大我は今日は用事があるからと、お昼前に出掛けて行った。

相変わらず余裕たっぷり。いつもと全然変わらない。

それがなんだか悔しい。

だってあんなキス、何の意味もないって言われてるみたいで。


でも、例え揶揄っているだけだとしても、私はイヤじゃなかった。

それどころかむしろあの時、"して欲しい"、そう思ってしまった自分がいたんだ。

だから躱せるはずだった3回目のキス。

私はそのまま受け入れた。



ねえ、この胸をキュウっと締め付けられる感覚はなに?

むくむくと湧き上がってくる、この感情はなに?



知りたいけど、知りたくない。分かるような気もするけれど、まだ分かりたくない。


だから予約している美容院の時間まで、私は洗濯をしたり布団を干したり掃除をしたり。

昨日できなかった家事に朝から没頭して邪念を追い払っていた。
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