過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜
……なんだろう。あの人が言うと本気で来ちゃいそうなシャレにならない迫力がある。

なんてったってお店に個人情報の書かれたカルテ、あるしね。

思わず苦笑してしまった。

大我や遥くんにも、今日坂崎さんに会ったこと教えよう。

それで今度、4人で食事なんかしたら面白いかもしれない。

かつてあんなにケンカしていた3人は、数年ぶりに会ったら一体どんな話をするんだろう。

彼の変わりようには、2人ともきっと驚くに違いない。




大きな交差点で信号待ちをしている間そんな想像にわくわくと綻んでいた顔が、ある一点に視線を向けた瞬間強張った。

向かい側で信号待ちをしている車。

最初は大我と同じ車種の車だな、と視界に入っただけだった。

でも、その車を何の気なしに眺めていたら、運転席にいたのは大我で。

その隣には、彼と楽しそうに笑い合う………キレイな女の人。

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