過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜
クラスの友達とも遊びながらも、そんな風に大我たちとたまに過ごす4人の時間が楽しくて。
見掛ける度に声を掛けていた私。
でも大我たちが高校3年生になる頃、今まではいつも3人セットで見掛けることが当たり前だったはずなのに、なぜか遥くんが欠けていることが多くなった。
小学校の最終学年ともなれば、私も薄々その理由を察してしまえるくらいにはなっていて。
なぜかちょっと胸がチクチクするような気がしたけど、当時の私はその胸のチクチクがなんだか分かっていなかった。
2人を見掛けても邪魔しちゃいけないと思ってそっと離れようとするのに、2人は全然そんなことお構いなしに私に話しかけてくるから。
私もなるべく気にしないことにした。
でもたまに見せる2人の親密な空気がくすぐったくて、恥ずかしくて、でもチクチクして。
あの頃の私の心は大忙しだった。