過保護な次期社長の甘い罠〜はじめてを、奪われました〜
窓に映る自分を眺める。
その耳に揺れるのは、なんの因果だろう、あの日桃ちゃんからもらった思い出のピアス。
あの日から大事に大事に取っておいたピアスは、高校生の時に穴を開けてから今でもたまに大切につけていた。
それが今日、私の耳を彩っている。
"どんなに痛くて苦しくても、その気持ちから逃げることは出来ないし、誤魔化すことも出来ない。どう足掻いてもな"
坂崎さんの言葉が頭の中で木霊する。
逃げることも誤魔化すことも出来ないのなら、私はこの気持ちにまた蓋をする。
大好きな、2人のためにーーーー。
そしてこれ以上自分が、傷つかないためにーーーー。