幸せって・・・何?
母の行動が効いたのか、和樹が家に帰って来る回数が増えた。
安祐美は和樹が帰って来ることが増えて少し安心した。でも相変わらずあまり抱いてくれない。付き合っていた時はあんなに抱いてくれたのに・・・
夫婦で出席するパーティや実家に行くときなどは、和樹は優しかった。常に安祐美を優しく扱ってくれた。でも家に帰ってくると違った。
安祐美の不安は消えなかった。
和樹は久しぶりに悪友たちと会食をした。
「お前、あっと言う間に結婚したな。もっとゆっくり遊んでからかと思っていたよ。」
「どうして。面倒だろ女はいろいろと。早く事を進めれば喜んでいるから楽だ。あとは子供を作れば育児に専念してくれる。」
「キャサリンはどうした? 」
「バレてな、別れたさ。仕方ない。」
「じぁあ今は潔白か?」
「まあな。」
「お前がこんなにあの女にご注進とは知らなかったよ。」
「イヤミ言うな。わかっているくせに。」
「会社の方はいつ仕掛けるんだ?」
「まだだよ。まだ早い。」
「そっちは慎重なんだな。」
「価値が違うからな。」
「食えない男だな。お前は・・・」
「フフッ、俺は狙ったものは逃さないさ。それだけだ。」
「ハイハイ。まあ十分気を付けてやるんだな。」
「まあ見てろよ。」