幸せって・・・何?

誕生日にはバラの花束が届いた。母の誕生日にも同じように花束が届いた。それ以外にも出張先から名産が届いたりした。その和樹のこまやかな気遣いにだんだんと絆されていった。
「和樹さんはまだあなたのことが好きなことはわかるじゃない。一度大人になって戻りなさい。」
母は安祐美に言った。
「そうね。なんだか私が悪いみたいに思うよね。これじゃあ・・・」
不本意ではあったが安祐美は一度和樹の所に戻ることを決めた。
和樹に連絡すると直ぐに迎えに来た。
「さあ、帰ろう。」
いつもの優しい目で和樹は安祐美に手を差し伸べた。
この顔を見てしまうと安祐美は悪い気分ではなかった。

和樹は優しかった。
付き合っている時と同じくらいに安祐美を大切に扱ってくれた。安祐美も徐々に打ち解けて来た。しかし、相変わらず週に2日位は家に戻らなかった。
それでも前とは違うので安祐美は少し安心して生活を送っていた。
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