幸せって・・・何?

翔はこの曜日の夜に見張ることにした。
和樹の会社は総合ビルの最上階の26階にあり、そのビルは24時間空いているのでロビーにいることができる。最上階行のエレベーターは1台だけ。専用だったのでそれが見えるところを見付けてパソコンで仕事をしているふりをして見張った。たまに達也と代わったりして怪しまれずに見張ることが出来た。
そのエレベーターは稼働するとライトが付くので見張りやすかった。
たしかに和樹は泊るといった日はずっと会社にいるようだった。
26階専用のエレベーターは大体18時から20時をピークに21時前には動かなくなった。
見張り初めで4回目に翔はあることに気が付いた。21時半から22時ごろにモデル風のきれいな男がいつも同じエレベーターに乗る。但し、行先は25階だった。その男をマークした。
25階はいくつもの会社がある賃貸のフロアーだった。プレートで会社の名前を確認した。弁護士事務所や会計事務所など硬い会社ばかりで、あんな男が出入りするような会社はみあたらなかった。さらにこんなに遅くにやっている会社ではない。翔は25階にエレベーターで上がった。

25階はセキュリティがあり、カードが無いとエレベーターホールから中には入れなかった。でも静かだった。どこにも人がいないようだった。日中はセキュリティが稼働していないことがわかったのでまた明日来ることにした。
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