幸せって・・・何?
次の日、母は友人の弁護士である(おか)に紹介された興信所に連絡をして和樹の行動を探ってもらうことにした。
2週間後、興信所から調査結果が来た。忙しくて会社に泊まっている日も確かにあった。でも女ともホテルで会っていたことがわかった。相手はキャサリン・マッケンジー、アメリカ人だった。
母は迷った。安祐美に言えば取り乱すだろう。先ずは直接和樹と話そう。
母は和樹に連絡をして外で和樹に会った。母は弁護士岡 晴美に付き添ってもらった。
「和樹さん、お忙しいところお時間取って頂いてありがとう。ちょっとお聞きしたいことがあっておいでいただきました。」
「お義母さん、何でしょうか。」
和樹はいつものように笑顔を絶やさずやさしい眼差しでお義母さんを見て言った。
母は興信所の報告書を和樹に見せた。
「この報告にあるキャサリン・マッケンジーとはどういうご関係ですか?」
「・・・調べられたのですね。・・・正直にお話します。彼女は元カノです。」
「まだ、切れていないということですか?」
「僕としては終わっています。でも彼女がまだ吹っ切れないみたいで、取引先のお嬢さんなのであまり無下にも出来ず、話し合いをしています。」
「ちゃんと別れてくださるのかしら。家にもあまり帰らないと安祐美が心配しています。でもこのことはまだ安祐美には話していません。どうですか、ここでちゃんと別れると約束してくださいますか?」
「はい。お義母さん。ちゃんと別れますからご心配なく。裏切るようなことはしませんよ。」
「そうですか、ではお願いします。安祐美を泣かせるようなことはしないでくださいよ。」
「はい。申し訳ございません。」
和樹は頭を下げて帰った。
「岡さん、どう思いますか?」
「彼は、あれだけいい男ですし心配ですね。少し目が泳いでいました。また数ヶ月経ったら調べた方が良いかもしれませんね。」
「そうね。まったく・・・、安祐美がかわいそう。あんなに彼のことが好きなのに・・・これで収まるといいけど・・・」
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