シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
三章
桔梗
……やっぱり、流されちゃダメだと思うの。
朝、ギンの腕の中で目覚めたわたしは思う。
流されて、キスを受け入れて……まあ、そこまではいい。
ただ、そのまま同じベッドで寝入ってしまったのはいただけない。
そのせいでもう起きなきゃいけないのに、ギンの腕から抜け出せないという事態に陥っているんだから。
「ぅぬぬぬ……」
何とか抜け出そうと試みるも、惨敗。
さらにわたしを抱く腕の力が強まるだけだった。
「はぁ……」
いっそこのままギリギリまで寝てしまおうか、何て考えが頭をよぎる。
でもすぐに振り払った。
いやいやそれはダメ!
今日も学校なんだから。
朝食の準備だけじゃなく今日はお弁当もちゃんと用意しなきゃ!
わたしだけじゃなく眞白のも用意しなきゃならないんだから。
自分で決めたことはちゃんと守らなきゃ。
そう思ってもう一度抜け出そうと試みる。
「んー! もう! いっそ起きてよ、ギン!」
なかなか外れない腕を叩いて叫ぶ。
「……キスしたら起きてやってもいいけど?」
「え!?」
返ってくるとは思わなかった声に驚いた。
その声は寝起きの気だるさはあったけれど、起きたばかりのかすれはない。
「ちょっと、まさか起きてたの!?」
朝、ギンの腕の中で目覚めたわたしは思う。
流されて、キスを受け入れて……まあ、そこまではいい。
ただ、そのまま同じベッドで寝入ってしまったのはいただけない。
そのせいでもう起きなきゃいけないのに、ギンの腕から抜け出せないという事態に陥っているんだから。
「ぅぬぬぬ……」
何とか抜け出そうと試みるも、惨敗。
さらにわたしを抱く腕の力が強まるだけだった。
「はぁ……」
いっそこのままギリギリまで寝てしまおうか、何て考えが頭をよぎる。
でもすぐに振り払った。
いやいやそれはダメ!
今日も学校なんだから。
朝食の準備だけじゃなく今日はお弁当もちゃんと用意しなきゃ!
わたしだけじゃなく眞白のも用意しなきゃならないんだから。
自分で決めたことはちゃんと守らなきゃ。
そう思ってもう一度抜け出そうと試みる。
「んー! もう! いっそ起きてよ、ギン!」
なかなか外れない腕を叩いて叫ぶ。
「……キスしたら起きてやってもいいけど?」
「え!?」
返ってくるとは思わなかった声に驚いた。
その声は寝起きの気だるさはあったけれど、起きたばかりのかすれはない。
「ちょっと、まさか起きてたの!?」