シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
何を考えているか分からない金多くんよりも、真っ直ぐわたしだけを求めてくれるギンを信じたい。
……ただ。
「……でも、信じてるとは言わないんだね」
「っ!?」
言葉のわずかな違いを見抜かれてしまう。
そう、自信を持って信じてるとは言いたくても言えなかった。
「……言えるほど、彼のことを知らないだけだもの」
悔し紛れに聞こえそうだと思ったけど、それが事実でもある。
ギンのことをもっと知れば、きっと信じられる。
どうしてかは自分でも分からないけど、そんな確信がわたしの中にあった。
「そう……そこまで言うなら、ひとつアドバイスをしてあげるよ」
「アドバイス?」
「ああ、時計塔を上るといい。そこに行けば、兄さんのことをもっと知れるはずだよ?」
「……」
うっすらと微笑む金多くんにはやっぱり不信感を覚える。
好意を持っていると口にしておきながら、拒絶されてもまるで堪えた様子がない。
やっぱり、わたしのことが気になってるっていうのはウソだ。
それだけはハッキリと分かった。
そして、そんなウソを笑顔で平然と言う金多くん。
照れてる演技までして……。
目的は分からなくても、信じることなんて出来るわけがない。
そんな彼のアドバイス。
素直に聞いていいものなのか……。
……ただ。
「……でも、信じてるとは言わないんだね」
「っ!?」
言葉のわずかな違いを見抜かれてしまう。
そう、自信を持って信じてるとは言いたくても言えなかった。
「……言えるほど、彼のことを知らないだけだもの」
悔し紛れに聞こえそうだと思ったけど、それが事実でもある。
ギンのことをもっと知れば、きっと信じられる。
どうしてかは自分でも分からないけど、そんな確信がわたしの中にあった。
「そう……そこまで言うなら、ひとつアドバイスをしてあげるよ」
「アドバイス?」
「ああ、時計塔を上るといい。そこに行けば、兄さんのことをもっと知れるはずだよ?」
「……」
うっすらと微笑む金多くんにはやっぱり不信感を覚える。
好意を持っていると口にしておきながら、拒絶されてもまるで堪えた様子がない。
やっぱり、わたしのことが気になってるっていうのはウソだ。
それだけはハッキリと分かった。
そして、そんなウソを笑顔で平然と言う金多くん。
照れてる演技までして……。
目的は分からなくても、信じることなんて出来るわけがない。
そんな彼のアドバイス。
素直に聞いていいものなのか……。