シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
「何よ眞白。ビックリするじゃない」
ドッドッと鳴る心臓を押さえながら文句を言うと、眞白は眉間にしわを寄せてわたしの腕を引く。
「早く着替えよう。夕飯の支度遅くなるだろ?」
少し乱暴な声でそう言う眞白に引きずられるように、わたしは仏壇のある部屋を後にした。
お母さんが事故に遭ってからはわたしが主に料理担当をしている。
他の家事は眞白がやってくれるけれど、わたしも手が空いているときはそっちの家事もやっていた。
お母さんが亡くなる前は義父さんもやってくれてたんだけど……。
まあ、あの状態だからやってくれるわけもないよね。
お母さんが亡くなって明日で丁度半年。
自分で言ったように、少しでも区切りがついて立ち直ってくれるといいんだけど……。
そんな風に考えていたわたしは、次の日あんなことになるなんて夢にも思っていなかった。
***
翌朝、相変わらず元気はないけれどちゃんと仕事に行く義父さんを送り出し、わたしと眞白も学園へ向かった。
「雪華ちゃん!」
校門を過ぎた辺りで声を掛けられ、振り返ると優姫さんがいた。
隣には彼女の彼氏でもある生徒会長の柚木金多くんがいる。
ドッドッと鳴る心臓を押さえながら文句を言うと、眞白は眉間にしわを寄せてわたしの腕を引く。
「早く着替えよう。夕飯の支度遅くなるだろ?」
少し乱暴な声でそう言う眞白に引きずられるように、わたしは仏壇のある部屋を後にした。
お母さんが事故に遭ってからはわたしが主に料理担当をしている。
他の家事は眞白がやってくれるけれど、わたしも手が空いているときはそっちの家事もやっていた。
お母さんが亡くなる前は義父さんもやってくれてたんだけど……。
まあ、あの状態だからやってくれるわけもないよね。
お母さんが亡くなって明日で丁度半年。
自分で言ったように、少しでも区切りがついて立ち直ってくれるといいんだけど……。
そんな風に考えていたわたしは、次の日あんなことになるなんて夢にも思っていなかった。
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翌朝、相変わらず元気はないけれどちゃんと仕事に行く義父さんを送り出し、わたしと眞白も学園へ向かった。
「雪華ちゃん!」
校門を過ぎた辺りで声を掛けられ、振り返ると優姫さんがいた。
隣には彼女の彼氏でもある生徒会長の柚木金多くんがいる。