シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
四章

恋人

「で、実際兄さんとはどこまでいってるわけ?」

「へぇい!?」

 シェアハウスに来てから最初の休みということで、わたしは眞白に付き合ってもらってまた大量の食材の買い出しに出ていた。

 大量と言っても前回のように他にも買わなきゃならないものがあるわけじゃなかったから、岸本くんと伊刈くんを呼ぶことなく2人で買い物袋を持ち帰り道を歩く。


 そんなとき突然された質問にわたしはあからさまに動揺した返事をしてしまった。


「ど、どどどどこまでって、どどどどこまで!?」

 自分でも動揺しすぎだと思ったけれど、可愛い義弟にそんな質問をされて平気でいられるわけがない。


「あ、いいや。その反応で何となく分かった」

 なのに、答えを口にせずとも眞白は察してしまいそれ以上追及してこない。

 言わなくて済んだのは良いけれど、どうしてわたしの反応だけで分かったの?


「え? 分かったの?」

 思わず聞き返すと、「最後まではいってないってことは分かったよ」と返された。

「義姉さん動揺しすぎだし、逆にバレバレ。まあ、兄さんのことだろうからかなり際どいとこまで手を出されてるんだろうけど」

「……」

 本当にバレバレだった。

 なんであの反応だけでそこまで分かってしまうのか……。
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