シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
「いいから、してみろよ……口、開けろ」
甘えるような言葉の後の命令に、ギュン、と胸が締め付けられるような感覚がした。
命じられるがままに口を開けて彼の口を塞ぐようにキスをする。
怖気づくわたしの舌に、ギンが誘うように自分のそれを絡めてきた。
でも、ドキドキと鼓動が早くてすぐにわたしの息が続かなくなる。
一度ちゃんと呼吸をしたくて離れると、それを許さないとでも言うようにギンの唇が追って来る。
「はっんぅ」
体勢的にわたしの方が逃げやすいはずなのに、逃げ切れないのは何故なんだろう。
それでも今の状態はギンにとってキツイのか、いつもより早く唇は離れていく。
そのことにホッとして呼吸を整えようとしたのも束の間。
「……もどかしいな」
そう呟いたギンはぐるりと体を反転させる。
「え?」
気づいたときには、いつものようにギンが上になっていた。
さらりと揺れるギンの前髪。
黒髪の中にひと房入っている銀髪が、部屋の明かりを受けてわずかにきらめいた。
そこからのぞく一対のアンバーの瞳。
オレンジがかった赤みのある茶色の目が、愛と欲の情を込めてわたしを見下ろしていた。
甘えるような言葉の後の命令に、ギュン、と胸が締め付けられるような感覚がした。
命じられるがままに口を開けて彼の口を塞ぐようにキスをする。
怖気づくわたしの舌に、ギンが誘うように自分のそれを絡めてきた。
でも、ドキドキと鼓動が早くてすぐにわたしの息が続かなくなる。
一度ちゃんと呼吸をしたくて離れると、それを許さないとでも言うようにギンの唇が追って来る。
「はっんぅ」
体勢的にわたしの方が逃げやすいはずなのに、逃げ切れないのは何故なんだろう。
それでも今の状態はギンにとってキツイのか、いつもより早く唇は離れていく。
そのことにホッとして呼吸を整えようとしたのも束の間。
「……もどかしいな」
そう呟いたギンはぐるりと体を反転させる。
「え?」
気づいたときには、いつものようにギンが上になっていた。
さらりと揺れるギンの前髪。
黒髪の中にひと房入っている銀髪が、部屋の明かりを受けてわずかにきらめいた。
そこからのぞく一対のアンバーの瞳。
オレンジがかった赤みのある茶色の目が、愛と欲の情を込めてわたしを見下ろしていた。