シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
 大体金多くんとですら今みたいに優姫さん経由でちょっと話すときがあるくらいで、他に接点もないからまず顔を合わせない日の方が多い。

 眞白は兄弟だからわたしよりは会って話してるかもしれないけれど……どっちにしろそんなに多く会ってるわけじゃなさそう。

 何より金多くんはいつも忙しそうだしね。


「じゃあ、俺生徒会室に書類を置いてこなきゃならないから先に行くな?」

 と、今日も朝から忙しそうだ。

「ああ、じゃあ」

 眞白もそう返してわたしたちは2人と別れる。

 優姫さんも金多くんについて行ったので、わたしたちもそれぞれの教室に向かった。


 ……そういえば、眞白達のお母さんも亡くなってるんだよね。

 3年前くらいだっけ?

 お葬式に呼ばれて2人で出席してきて。
 あのときも義父さんは気落ちしてたっけ。

 それをお母さんが元気づけて……。

 今回も誰かそういう人が義父さんの側に居てくれれば立ち直れるのかな?


 そうは思うけど、わたしがなれるわけじゃないし義父さんが自分で見つけてきてくれるのを待つしかないのかも知れない。

 なんて思ってた。
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