シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
 簡単にナポリタンとサラダとスープにして、出来上がったら3人を呼んで一緒に昼食を取る。

「なんか、白雪が来てから健康になった気がする」
「それな」
「サラダとか滅多に食わなかったし」

「サラダはコンビニにもあるでしょ、ちゃんと栄養考えて食べなよ」

 一緒に食事をしながら呆れて言うと、3人は声をそろえて言う。


『面倒』

「面倒って……」


「今は白雪がいるから問題ない」
「ごはん美味いし」
「流石みんなのオカン」

「オカン言うな」

 思わず突っ込みながらわたしは食事を続けた。


 そうして食べ終わってお皿を片付けながらリビングに戻ろうとする三つ子にちょっとみんなのことを聞いてみた。

「そう言えば今日ってみんなどこに行ってるの? 朝ちょっと慌ただしかったけど」

 今朝はみんな朝食を食べたらすぐに出ていってしまった。

 今日はやることが多いからとか言ってたな。


「あのデジタルクローンの……キョウのことで、何かあるの?」

 そう聞くと、3人は顔を見合わせてから揃って手を横に振った。


「違う違う」
「今日は別件」
「《黒銀》の方の用事」

「あ、そっちの方……」

 答えると3人はすぐにリビングへ戻っていった。
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