シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
 そして今日もほとんど1人で過ごしたわたしは、帰り際に眞白からメッセージが届いている事に気づく。

『委員会の仕事入ったから、今日は先に帰ってて』

 わたしは『了解』とスタンプを付けて返すと、まずは買い物していかないとなーと考えながら学園を出る。


 わたしと違って眞白は友達もいるし、他にも何かやっているのかたまに用事があるとか言って一緒に帰らない事も多かった。

 でも、お母さんが亡くなってからはわたしを気遣っているのか一緒に帰ることが多い。

 まあ、義父さんがあの調子だから2人で家のことしなきゃならないってのもあるんだけどね。


 だから最近はずっと一緒に帰ってた。

 そのせいかな?

 帰り道をちょっと心細いって思うのは。

***

「ただいまー」

 買い物をしてから来たから今日も少し遅くなってしまった。

 今日も玄関は開いていたけれど、電気はついていない。

 外にいる分には明るいけれど、家の中じゃあちょっと暗いんじゃないかな?


「義父さん? 帰ってるの?」

 玄関の明かりをつけながら声を上げるけど返事はない。

 見れば昨日と同じように靴が脱ぎ捨てられてあった。


「いるんじゃない……」

 呟きながら靴を揃えてわたしも家の中に入る。
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