シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
先に台所に買い物袋を置いて奥の部屋に向かうと、薄暗い部屋の中で義父さんが座っていた。
今日は仏壇の前ではなくて、部屋にある座卓の方に座っている。
座卓の上にはお母さんの写真と大量のお酒の缶やビンがあった。
「義父さん? 寝てるの?」
近づいても動かないからそう言って肩を揺すってみる。
「んう? ああ……」
どうやら本当に寝ていたらしい。
「もう、こんなに飲んで……お水飲んで、ちゃんとベッドで寝て?」
仕方ないなとため息をついて、義父さんが立つ手伝いをする。
お母さんの月命日は必ずお酒を飲んでいたから、この光景は予想出来た。
ただ、今日は本当に量が多い。
せめてこれ以上飲ませないようにしなきゃ。
「水? ベッド……? ああ、そうか。ベッド行こうな、沙奈」
「え?」
意識がハッキリしないのか、義父さんはお母さんの名前を呼んでわたしの肩を掴んだ。
その手の力が、嫌な感じだった。
「義父さん? 何言ってるの? わたし雪華だよ?」
「ああ、分かってるよ雪華。お前の中に、沙奈はいるんだろう?」
うつろな目がわたしを映す。
そこには確かにわたしの顔が映っているのに、義父さんには見えていないんだろうか?
今日は仏壇の前ではなくて、部屋にある座卓の方に座っている。
座卓の上にはお母さんの写真と大量のお酒の缶やビンがあった。
「義父さん? 寝てるの?」
近づいても動かないからそう言って肩を揺すってみる。
「んう? ああ……」
どうやら本当に寝ていたらしい。
「もう、こんなに飲んで……お水飲んで、ちゃんとベッドで寝て?」
仕方ないなとため息をついて、義父さんが立つ手伝いをする。
お母さんの月命日は必ずお酒を飲んでいたから、この光景は予想出来た。
ただ、今日は本当に量が多い。
せめてこれ以上飲ませないようにしなきゃ。
「水? ベッド……? ああ、そうか。ベッド行こうな、沙奈」
「え?」
意識がハッキリしないのか、義父さんはお母さんの名前を呼んでわたしの肩を掴んだ。
その手の力が、嫌な感じだった。
「義父さん? 何言ってるの? わたし雪華だよ?」
「ああ、分かってるよ雪華。お前の中に、沙奈はいるんだろう?」
うつろな目がわたしを映す。
そこには確かにわたしの顔が映っているのに、義父さんには見えていないんだろうか?