シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
「うっわ! すげぇ! これマジでギンさんが作ったんすか!?」
「本格的……」
驚く岸本くんと伊刈くん。
ちなみにわたしは無言。
どう反応したらいいのやら……。
出来たぞと言われて向かったダイニング。
そこに並べられていたのは白身魚のムニエルを主菜としたフレンチ料理だった。
しかもちゃんとみんなの分も作ってある。
「……簡単って言ったよね?」
「ん? 簡単だろ? 品数だって少ねぇし」
「……」
確かに品数は少ないけど……。
それでもこの料理を簡単と言って作ってしまえるギンが……何と言うか、恨めしかった。
味付けもほど良くて美味しいのがまた悔しい。
「どうだ?」
聞かれて美味しいと答える。
「……でもちょっと悔しい」
と、本音も付け加えた。
「ギンがプロ並みに料理出来るならわたし必要なのかな?って思っちゃうよ」
そう愚痴ると、フッと優しい笑みが向けられる。
ただでさえ妖艶な彼がそんな笑みを浮かべるとひたすら甘くて……。
実はいまだにギンへの胸の高まりが治まっていないわたしはそれだけでぼうっとしてしまいそうになる。
「俺は、お前がいつも作ってくれる優しい家庭の味の方が好きだけどな」
「っ!」
しかもそんな殺し文句を言われてはもうホントどうしたらいいのか。
「……あ、りがと……」
嬉しくて恥ずかしくて、照れながらお礼を口にした。
「本格的……」
驚く岸本くんと伊刈くん。
ちなみにわたしは無言。
どう反応したらいいのやら……。
出来たぞと言われて向かったダイニング。
そこに並べられていたのは白身魚のムニエルを主菜としたフレンチ料理だった。
しかもちゃんとみんなの分も作ってある。
「……簡単って言ったよね?」
「ん? 簡単だろ? 品数だって少ねぇし」
「……」
確かに品数は少ないけど……。
それでもこの料理を簡単と言って作ってしまえるギンが……何と言うか、恨めしかった。
味付けもほど良くて美味しいのがまた悔しい。
「どうだ?」
聞かれて美味しいと答える。
「……でもちょっと悔しい」
と、本音も付け加えた。
「ギンがプロ並みに料理出来るならわたし必要なのかな?って思っちゃうよ」
そう愚痴ると、フッと優しい笑みが向けられる。
ただでさえ妖艶な彼がそんな笑みを浮かべるとひたすら甘くて……。
実はいまだにギンへの胸の高まりが治まっていないわたしはそれだけでぼうっとしてしまいそうになる。
「俺は、お前がいつも作ってくれる優しい家庭の味の方が好きだけどな」
「っ!」
しかもそんな殺し文句を言われてはもうホントどうしたらいいのか。
「……あ、りがと……」
嬉しくて恥ずかしくて、照れながらお礼を口にした。