シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
「やっぱりダメだ。今の俺は優しく出来そうにない。お前初めてなのに、それは――」
「いいよ」
彼の言葉をさえぎって、そのかろうじて残る理性を捨てさせる言葉を放つ。
掴んでいる手を引き、頬ずりするように顔を寄せた。
温かくて、硬くて、大きな手。
この手に、触れてもらいたい。
そのままわたしは笑みを浮かべて、あふれる思いを口にした。
「好き……大好きよ――シロガネ」
「っ!? せっ、か?……俺の名前……」
そう、ギンの本当の名前はシロガネ。
7年前、銀と書いてシロガネと読むんだと一度だけ教えてもらった彼の名前。
「うん、ちゃんと自力で思い出せたよ?」
名前も、そしてわたしの初恋も。
7年前、初めて会った眞白の上のお兄さん。
眞白が桔梗さんに会いに行っている間わたしの相手をしてくれた凄く綺麗な男の子。
でも、全然笑わなくてずっとつまらなそうだった。
実際に全てがつまらないと言った彼に、わたしは興味の持てるものが一つくらいあるはずだって言って色んなものを提示したっけ。
はじめはあのオモチャは? あのゲームは? とか手ごろなものを言っていって、それでもダメだったから探してくると言って色々探索しに行ったんだ。
今思えば人様の家で何をしていたんだわたし、と突っ込みたくなるけれど。
「いいよ」
彼の言葉をさえぎって、そのかろうじて残る理性を捨てさせる言葉を放つ。
掴んでいる手を引き、頬ずりするように顔を寄せた。
温かくて、硬くて、大きな手。
この手に、触れてもらいたい。
そのままわたしは笑みを浮かべて、あふれる思いを口にした。
「好き……大好きよ――シロガネ」
「っ!? せっ、か?……俺の名前……」
そう、ギンの本当の名前はシロガネ。
7年前、銀と書いてシロガネと読むんだと一度だけ教えてもらった彼の名前。
「うん、ちゃんと自力で思い出せたよ?」
名前も、そしてわたしの初恋も。
7年前、初めて会った眞白の上のお兄さん。
眞白が桔梗さんに会いに行っている間わたしの相手をしてくれた凄く綺麗な男の子。
でも、全然笑わなくてずっとつまらなそうだった。
実際に全てがつまらないと言った彼に、わたしは興味の持てるものが一つくらいあるはずだって言って色んなものを提示したっけ。
はじめはあのオモチャは? あのゲームは? とか手ごろなものを言っていって、それでもダメだったから探してくると言って色々探索しに行ったんだ。
今思えば人様の家で何をしていたんだわたし、と突っ込みたくなるけれど。