シュヴァルツ・アプフェル~黒果~魔女と呼ばれた総長はただ1人を所望する
2人は今後バイトしながら近くの定時制高校に通うんだそうだ。
そのため今から中学の勉強のおさらいをしているらしいんだけど……中々難しいみたい。
颯介さんもいずれは高卒認定試験くらいは受けるつもりらしいけれど、今はまだ《黒銀》解散のために奔走している。
そんな感じで、みんなはそれぞれ“これから”の準備を始めていた。
***
「今日こそは別で寝るから!」
夜、シロガネの部屋について行きつつもそう宣言するわたし。
そんなわたしに、シロガネは美麗な眉を寄せてため息をついた。
「はぁ……いい加減諦めたらどうだ? そう言ったって結局いつも一緒に寝てるじゃねぇか」
「でも、シロガネは自分で口にしたことをちゃんと守るわたしが好きなんでしょう?」
「そうだが、そんなお前が俺のために折れてくれるのも嬉しいって言ったはずだぞ?」
そうして艶美な微笑みを浮かべてわたしを引き寄せる。
その腕に包まれ、シロガネの匂いが鼻孔をかすめる。
その香りに浸るように、わたしはわずかに目を細めた。
「それを言われると折れたくなっちゃうけれど……」
すでにこの腕の中から抜け出す気は無くなっていたけど、それでもと言葉を続ける。
「……でも、シロガネが好きになってくれた自分でありたいって思うから……」
だから、結局一緒に眠ることになったとしてもその意志だけは変えないでいたい、と告げた。
そのため今から中学の勉強のおさらいをしているらしいんだけど……中々難しいみたい。
颯介さんもいずれは高卒認定試験くらいは受けるつもりらしいけれど、今はまだ《黒銀》解散のために奔走している。
そんな感じで、みんなはそれぞれ“これから”の準備を始めていた。
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「今日こそは別で寝るから!」
夜、シロガネの部屋について行きつつもそう宣言するわたし。
そんなわたしに、シロガネは美麗な眉を寄せてため息をついた。
「はぁ……いい加減諦めたらどうだ? そう言ったって結局いつも一緒に寝てるじゃねぇか」
「でも、シロガネは自分で口にしたことをちゃんと守るわたしが好きなんでしょう?」
「そうだが、そんなお前が俺のために折れてくれるのも嬉しいって言ったはずだぞ?」
そうして艶美な微笑みを浮かべてわたしを引き寄せる。
その腕に包まれ、シロガネの匂いが鼻孔をかすめる。
その香りに浸るように、わたしはわずかに目を細めた。
「それを言われると折れたくなっちゃうけれど……」
すでにこの腕の中から抜け出す気は無くなっていたけど、それでもと言葉を続ける。
「……でも、シロガネが好きになってくれた自分でありたいって思うから……」
だから、結局一緒に眠ることになったとしてもその意志だけは変えないでいたい、と告げた。